人間は恐怖に陥れられると、意識が狭まって一次元的になってしまう。一次元というのは、現実を測る尺度が一つしかないということであり、つまり一本橋を渡るか引き下がるかしか選択肢がないかのようにふるまい始めるのだ。いわゆるfight or flight (戦うか逃げるか?)の反応だ。これは、実際に大きな危機が目の前に迫っているときには、ものすごい瞬発力で戦ったり逃げたりということを行動を可能にする。ところが、現実に危険がないのにもかかわらず、恐怖だけを与えられ続け、そこに「これが唯一の解決法だ」ということを繰り返し示されると、たとえそれがいかに理屈に合わないようなことであっても、すべてを犠牲にしてそれをやろうとしてしまうのだ。大衆心理操作は、そうしたやり方で人々を操っている。
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